坐禅普及

主旨は慈悲。行は坐禅。

2020-09-01から1ヶ月間の記事一覧

統合失調症と悟り体験

【要旨】この記事は、要旨坐禅によるうつ傾向の解消等の主要な効果は、呼吸回数の減少を緒とする扁桃体の活動の低下によりもたらされると考えられるが、扁桃体の活動の過剰な低下は、統合失調症における自我意識障害及び誇大妄想に類いする症状をもたらし、…

【参考資料】不安なままでいいじゃないか

禅の目的の一つは、安心立命であるとされます。 「古来の常套の語(ことば)を以っていえば、安心を得るのが仏教の目的である。(略)安心とは、心を一定不動の處に安住せしむるの意で、謂ゆる宗教の力に依って、不動の信念を確立するということである。古来…

【参考資料】瞑想の副作用(第2版)

(1)大谷彰『マインドフルネス入門講義』 「マインドフルネス実践中にトラウマの自然除反応が発生することからも明らかなように、臨床マインドフルネスでも治療の差し障りとなる反応が生じることは早くから知られています(略)。マインドフルネスに伴う弊…

摂心会(合宿形式の坐禅会)の危険性(4)

岡田尊司先生の『マインドコントロール 増補改訂版』の内容を踏まえ、マインドフルネスの世界でも、問題が語られている摂心会やリトリートなどと呼ばれる合宿形式の坐禅会・瞑想会について検討する記事の4回目です。【これまでの記事】 ○摂心会(合宿形式の…

【参考資料】師弟関係(第2版)

(1)沢木興道:酒井得元『沢木興道聞き書き ある禅僧の生涯』「証道歌にも『紅梅に遊び、山川を渉り、師を尋ね、道を訪うて参禅をなす』とあるように、あっちへ行ったりこっちへ行ったり、自分の教えを受けるべき正師を求めて歩いたもので、これを遍参(へ…

小さな自分という救い

「あらゆる生命と意味を宇宙のなかの何らかの地点に位置づけることにすると、人生の意味は、すっかり縮減されて、いわば何らかひとかどのものだと自惚れた蟻の幻想であることになってしまいます。私たちは、ほかでもない自らの生存への利害関心ゆえに自分自…

死を恐れる

20代の頃、一度だけ仕事をサボったことがあります。職場の建物前まで来たところで、職場に電話をかけて、その日の予定を全てキャンセルするようにお願いしました。その後、方々をフラフラと歩き回りました。最後、20階ほどの高さのマンションの最上階ま…

死を楽しみにする

「困難なときに坐禅をしたことがない人は、禅を学ぶ者とはいえません。ほかのどんな行為も、あなたの苦しみを和らげることはできません。ほかのどんな姿勢も、自分の困難を受け入れる力を持たないのです。しかし、長い、困難な修行で確立した坐禅の姿勢によ…

摂心会(合宿形式の坐禅会)の危険性(3)

前回の記事は次のとおり○摂心会(合宿形式の坐禅会)の危険性(2) (https://zazenfukyu.hatenablog.com/entry/2020/09/01/083035)これまで、岡田尊司先生の著書『マインド・コントロール』における、マインド・コントロールの五つの原理のうち、第一の原…

曹洞禅とマインドフルネス

私は、坐禅から瞑想の世界に興味を持ち、最初は数息観から入りましたが、曹洞禅の「只管打坐」に納得のいくものを感じて実践をするようになりました。只管打坐をするようになって半年ほど経ってから、マインドフルネスに関する専門書を集中的に読んでいたと…

坐禅は無功徳

「瞑想部屋などがあるんですか?」 以前ある方から受けた質問です。私が、一時期、禅の修行団体に所属していたり、色々な瞑想会に参加するなどマニアックな活動をしていたほか、長広舌を振うものですから、自宅でも相当マニアックに坐禅をしているのだろうな…

摂心会(合宿形式の坐禅会)の危険性(2)

前回の記事は次のとおり○摂心会(合宿形式の坐禅会)の危険性(1) (https://zazenfukyu.hatenablog.com/entry/2020/08/30/160712)岡田尊司先生は、『マインド・コントロール』の中で、マインド・コントロールの方法論を五つの原理に分けて整理されます。…