坐禅普及

主旨は慈悲。行は坐禅。

2019-08-01から1ヶ月間の記事一覧

嫌われるのも素晴らしい生き方

「禅の修行の成果は、自分が死んだときに初めて確かめられる」と言う久参の方がいる。 おそらく、禅の修行をして人格が磨かれれば、おのずと人から死を惜しまれ、そのことから、修行の成果が分かるということだろう。 しかし、死を惜しまれるということが本…

世界と人生に何の不満があるのか?

坐禅などの仏教の瞑想をする人は往々にして不満がある。 人生に疑問をもって始める人は、人生に不満がある。 世界は「苦」ばかりであるという人は、世界に不満がある。 しかし、なぜ、不満を抱くのか? 山川草木悉皆成仏だ。 きちんと世界を見回したらいい。…

伝法の虚構性(その2)

3 菩提達磨(1)石井清純『禅問答入門』 “菩提達磨とは、サンスクリット語(印度の古語)のBodhiが「菩提」、つまり「悟り」で、Dharmaは「法」、真理とか教えという意味で、とうてい実名とは思われません。年齢も、(武帝に出会った)この時すでに百四十…

伝法の虚構性(その1)

仏教では、ものごとをありのままに正確に知ることが大切であるとされます。 禅について、正確に知るという観点から疑問を抱くことは、「伝法」についてです。 禅の世界では、よく釈尊から現在に至るまで、その法を嗣いだ伝法の師家に参ずることが大切だなど…

肯定も否定もできない

先日、心理学の講演会を聴いたときに、講師の先生が「脳は否定語を理解できない」というお話をなさいました。 たとえば、「今、ここに、『手の平サイズのピンクの象』が……“いません”」と言った途端に、脳は『手の平サイズのピンクの象』を創造してしまうとい…

安心は主観的世界に耽溺することではなく、客観的世界に生きることにある

仏教の目的は、安心立命にあると言われる。安心とは、「心の安まる」ことだから、自分の主観的世界に変化をもたらすことが重視されるようなところがある。 坐禅等の瞑想を深める中で、外界からの影響に揺るがない精神を作り出す。そこでは、外界から自己の精…

煩悩即菩提

社会的に相応に評価されている人の境涯には好ましいものがあります。 阿川佐和子さんの『聞く力』に次のような一節がありました。 “私は(渡辺淳一さん)に尋ねました。一生、愛し続けられると信じていても、人はどうして気持ちが変わっちゃうんでしょうね。…

楽であることの重要さ

仏教は、世界に対する私たちの評価に正統な根拠がないことを教える。 苦楽という概念も正統な根拠はない。 だから、「楽」を目指すのはおかしいということにもなるだろう。 しかし、私たちは、苦も楽もある相対の世界に生きざるを得ない。 世界は空なのだが…

ある世界は、この日常の世界だけ

お世話になっている在家禅団体をやめるのだという人がいる。 「修行」のやり方に「ありがたみがない」ので、「明眼の師を見出しに行く」のだという。 短い期間だったけれど、熱心に取り組み、色々な本を読んでもいるようだった。 しかし、未だに、何か「あり…