【参考資料】生きて死ぬだけ
(1)神保如天『従容録講話』序
「私どもは何の為に生れたか、何故死ぬるか、這んなことは問題にならぬ。何の為でも、何故でもない生まれたから生きてをる。死ぬから死ぬるのである、それ以上何と理屈をつけても詮無いことである。生を生とさとり、死を死とさとれば、それでよろしい。人生のすべては斯くして解決されるのである。」
(2)有馬賴底『無の道を生きる――禅の辻説法』18~19頁
「禅というのは、実はとても簡単なこと。極めて単純明解なんです。(略)
「生まれたら死ぬ」。その事実だけなんです。何もないところから生まれて、生きて、また何もないところへ還っていく。(略)それを、本当にしっかり納得しましょうというのが、禅なんです。実に簡単なことです。」
(3)瀬木比呂志『絶望の裁判所』198~199頁
「私の生き方、私の生育歴や精神形成に含まれていた葛藤が形をとって現れたのが、(略)うつの発病だったのだと思う。ちょうど四〇歳の時のことであった。
入院していた病院で私が悟ったのは、人生の単純さということだった。一本のロウソクが小さく点り、しばらくの間輝き、やがて燃え尽きる。結局、人生というのは、それだけのことであり、そういう単純なものなのだ。私は、なぜ、ただそれだけのことを、こんなに難しくしているのだろう?」
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