坐禅普及

主旨は慈悲。行は坐禅。

2019-07-12から1日間の記事一覧

「苦」を必死になって解消する必要のない理由

仏教は、何らかの形で「苦」への対処を目指すものだけれど、本当に、それを徹底的になくす必要があるのかは立ち止まって考えてもよいように思う。 仏教における「苦」は、「苦痛」というよりも、「むなしさ」、「ものたりなさ」をいうニュアンスが強いとされ…

結果の出せない禅の修行は無価値ではないのか?

禅の修行が、愛し、働くことができるようにするためのものであることからすると、「禅の修行」と「愛し、働くこと」とでは、後者の方が重要であるはずです。 前者は手段であり、後者は目的なのですから、手段と目的とでは目的の方が重要であることに決まって…

無明の必要性

鈴木大拙の『禅学入門』を読み返していたら、次のような記述を発見して、勇気付けられました。 やはり、我が禅海波瀾洪大、嫌う底の法なく、著するの底の法なし、驢を通し、馬を通す必要がある。 重要なことは、否定ではなく、自然と限定していくこと。”禅が…

悩み、苦しみ、迷うことは人間の特権

仏教では、悩み、苦しみ、迷いへの対処が課題とされます。 ここで重要なことは、課題は、「悩み、苦しみ、迷い」に対する「対処」であって、これらを無くすことではない、ということです。 私たちは、どうでもよいことに対し、「悩み、苦しみ、迷い」を抱く…

(坐)禅の効果の測定方法

(坐)禅の効果については語ろうとしない人が多い。 不遜はよくないであろし、また、どうも語ることができるような効果は本当の効果ではないと思っている人も多いようだ。 効果に本当も嘘もないと思うし、仮に、プラシーボ効果であるとしても、効果は効果で…

心理カウンセリングにおける仏教に類似する考え方その2

5 サイコドラマ(心理劇)(96頁) 日常の場面で生じた心理的な問題を、集団で役割演技を行うことによって解決する技法。 決まった筋書きや配役があるわけではない。 即興劇で、「今、ここで」生じたテーマの状況に基づく役割を演じる。 参加者個人の自発…

心理カウンセリングにおける仏教に類似する考え方その1

ほかの人の悩みが解消できるようになりたいと考えて、心理学の勉強をしようと考え、松原達哉編著『図解雑学 心理カウンセリング』をネット古書店で購入したところ、仏教的な考え方と思えるものがありました。 佛陀自身が、人間の心理について考え、その悩み…

参考資料:安心ではないものを安心とする

仏教の目的の一つは、安心立命です。 “古来の常套の語(ことば)を以っていえば、安心を得るのが仏教の目的である。(略)安心とは、心を一定不動の處に安住せしむるの意で、謂ゆる宗教の力に依って、不動の信念を確立するということである。古来禅門で悟った…

実社会生活で結果を出す

禅の実践と結果との問題は容易ではない。 専ら禅の実践として行われること、すなわち、座禅は余りに不自然なことであって、それは明らかに狙いを持って行われるはずのことだ。 同時にそれは、結果を求めないものとして、行わざるを得ない。 この矛盾こそが教…